経理の引き継ぎ、何を残す?月末に困らないチェックリストと未処理の伝え方
手順書はあるのに月末が回らない。その原因になりやすい締切・未処理・判断の確認先を、引き継ぎ表の例と一日の進め方で整理します。
経理の引き継ぎで困るのは、「操作は分かるけれど、今月はどこまで終わっているのか分からない」という状態です。手順書と、いま動いている案件の一覧は分けて残します。
画面の押し方を何枚も撮る前に、次の締切と未処理の案件を一緒に確認しましょう。この記事は一般的な業務整理の提案です。法定期限や会計処理は会社の状況に応じて専門家などへ確認してください。
最初の一枚は「いつ、誰が、何を終えるか」
月次の作業を日付順に並べます。「月末」とだけ書かず、社内締切と取引先・外部への締切を区別します。休日や担当者不在のときの扱いも、分かる範囲で記します。
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 作業名 | 月次の請求書発行 |
| 社内締切 | 毎月の営業日カレンダーで決定 |
| 入力資料 | 各部門から届く実績の一覧 |
| 承認者 | 部門責任者と経理の確認担当 |
| 保存場所 | 社内の指定フォルダ・業務システム |
| 終了の条件 | 承認後、送付記録と請求番号を台帳に残した状態 |
これは架空の記入例です。自社で使うときは「いつもの場所」「担当に聞く」といった言葉を、実際にたどれる名前と場所に置き換えてください。
未処理は、理由と次の一手まで残す
未処理一覧に「A社・確認中」とだけ書いても、後任は同じ確認を最初から始めることになります。相手からの返事待ちなのか、社内承認待ちなのかを分けます。
案件番号:INV-例001
状況:請求額と入金額に差があり、担当営業へ確認中
最後の連絡:8月28日、差額の理由を質問
次にすること:返答を確認し、経理責任者に処理を相談
資料:該当請求書と入金明細の保存先
「こちらが終えたこと」と「相手に頼んだこと」を分けるだけでも、二重の連絡を避けやすくなります。まだ確認していない原因を、事実として書かないことも大切です。
引き継ぎ当日に、一件を最後までたどる
説明役が操作するのを見ているだけだと、後から自分で開いたときに迷います。可能なら後任が操作し、前任が横で確認する形にします。
- 元の資料を見つける。
- 台帳やシステムで対応する取引を開く。
- 承認が必要な箇所と確認先を確かめる。
- 処理後の記録と保存先を見る。
- 問題があった場合の戻し方・相談先を確認する。
実行すると本番の請求や支払いが動く操作は、練習のために実行しないでください。練習用の環境や処理済みの資料を使い、どこから実処理になるかを先に説明します。
アクセス権の引き継ぎを忘れない
資料のリンクがあっても、後任が開けなければ引き継ぎは止まります。必要な権限を管理者に確認し、本人のアカウントで閲覧できるか試します。
パスワードの共用や、個人メールへの書類転送で間に合わせるのは避けます。退職者の権限、銀行や外部サービスの承認権限などは、会社の管理手順で別途扱ってください。
後任からの質問を、そのまま追記する
「この数字はどこから?」「相手に連絡していい?」という質問は、手順の不足を見つける材料です。後任の理解不足と決めず、元資料と判断の分かれ道を足します。
資料は増やすだけでなく、古い版を誤って使わない置き方にします。更新日と管理者を付け、正本へのリンクを一本にしておくと、どれを読むかで迷いにくくなります。
システムに期待するのは、途中経過をたどれること
Strokaは請求や入金、関連書類をまとめるための業務システムです。ただし、導入すれば引き継ぎが不要になるわけではありません。社内の判断基準、責任者、締切は引き続き決める必要があります。
製品の流れを見る際は、自社の未処理案件を架空の例に置き換えて、「別の担当者がどこまで分かるか」を確認してください。今のExcelでその確認ができるなら、まず運用の整理から始めても構いません。
よくある質問
引き継ぎの時間が一日しかありません。何を優先すべきですか?
直近の締切、未処理の案件、承認者・確認先、資料の場所を優先します。全部の操作を説明するより、次の締切を実際の資料で一緒に確認する方が、抜けを見つけやすくなります。
パスワードも引き継ぎ書に書けばよいですか?
書類や共有表にパスワードを並べないでください。会社のアカウント管理ルールに従って本人用の権限を用意し、退職者の権限の停止などを管理者と確認します。
マニュアルを作れば属人化はなくなりますか?
手順だけでは十分ではありません。現在どこまで終わったか、例外の判断を誰に確認するか、元資料をどこで見られるかも分かるようにします。